Juventus Zone / jp   ユベントス ゾーン   -3ページ目

アスコリVSユベントス

セリエA第二十二週

勝利31

シャチがアザラシを襲った。静かに浅瀬に侵入し、波頭と一つになってアザラシを砕くシャチの牙。致命傷を負ったアザラシの体を、シャチは何度も何度も空中高く跳ね上げ、もて遊んだ。

 シャチにとっては、それは命の凱歌だ。

 いつかみたイメージが、連想される試合だった。アスコリの最大の失敗は十六節のラッツイオと反対の作戦をとったこと、中盤の支配権を譲って、ゴール前だけの守備でユベントスを止めるという作戦をとったことにある。いくらゴール前に人数がいても、あらゆる方向からくるボールを止めることなど、不可能だ。ユベントスに対して中盤を譲るということは、あらゆる方向から飛び込んでくるセンタリングに対して、備えなければならないことを意味する。そんな備えなどできるわけがない。アスコリの守備は、間に合わない。すこしずつ遅れるチャージ、すこしずつズレていくマーク。失点は時間の問題だった。

 前半、八分Emersonからの、浮き球をTrezeguetがボレーシュート。これが一点目。

 そのわずか三分後、Del Pieroが巧みなリフティングで、アスコリのDFの意表をつく。DFは混乱し、Del PieroがパスをだしたCamoranesiへのカバーが遅れてしまう。ゴール間近でフリーになったCamoranesiは絶妙な位置にラストパスをだす。Trezeguetがこれを決める。<ごっつあんゴール>と人がよぶもの。

 さらに六分後(前半十七分)、Del Pieroからのパスを、Trezeguetがグランダーのシュート。これで三点。

 ユベントスの守備で、三点とったあとの一点、アスコリの一点は、ここで言及する価値もない。勝負はとっくに決まっていた。

Capello6.5Buffon6.5Thuram6.5Zebina6.5Cannavaro6.5Zambrotta6.5Emerson6.5Vieira6.5Nedved6.5CamoranesiTrezeguet7、Del Piero6.5

ユベントスVSエンポリ

セリエA第二十一週

勝利21

ユベントスの気迫が輝いた試合だった。

前半三分、これたいった失敗はないのに、エンポリにFKで、鮮やかな先制点を決められてしまった。ペナルティエリアの外、かなり距離があったのに、エンポリのMFの蹴ったボールはBuffonの左肩の上を越えて、ゴールネットを揺すった。

 それでなくても、この日はコンディションがよく、溌剌と動いていたユベントスの選手のボルテージが、この先制点で、ワンニッチ、上がった。逆転する、何がなんでも、気迫が伝わってくる

ポーカーフェイスのBuffonさえ、ボールをスローインするときの表情には、「必死」という二文字が浮かんでいた。実際、この時点までのユベントスは左サイドにBalzarettiという穴もあり、エンポリを跳ね返せるという保証はどこにもなかった。

ユベントスは加速し、精度を高める。エンポリも必死についていく。この緊張感の中で、17分同点のゴールがうまれる。Camoranesiが遠いサイドにいれたボールを、Cannavaroがダイビングヘッド。真横に近い角度から、低い弾道で飛び込んできたボールに、相手のGKは反応できなかった。エンポリのDFが固めている状況下では、ヘッドでねじこむのが唯一の現実的な選択肢ではあった。コースを急激に下方変化させた難しいボールに、タイミングよく、ダイブするCannavaroの技術。唖然。

その後も、ユベントスはペースをゆるめず、ゴールを狙い続ける。前半だけでも23分、24分、28分とCamoranesiは連続して見事なラストパスをゴール前に供給する。Cannavaroはエンポリ陣営のサイドライン際で、泥臭く四つん這いになってエンポリのDFと競り合い、ボールを奪取しチャンスを作る。エンポリはこの攻めに耐え続けた。

勝敗の天秤がユベントスに大きく傾いたのが、後半の選手交代。ZebinaZalayetaの投入から。とくに逞しいZebinaの投入で、サイドの弱点は完全に消えた。そして後半32分、Del PieroのCKを、Cannavaroが頭で落とす。これが決勝点となった。Cannavaro、2点。見事としかいいようがない。

Capello6.5Buffon6.5Thuram6.5Balzaretti5.5Cannavaro7.5Zambrotta6.5Emerson6.5Vieira6.5Mutu6.5CamoranesiTrezeguet6、Del Piero

キエーボVSユベントス

セリエA第二十週

引き分け11

これではユベントスではない。巧者に打ち勝ってこそ、王者の称号に値する。こんな試合をするようじゃとても王者なんて名のれたもんじゃない。

 キエーボはDFのラインをあげにあげて、中盤のプレスを強め、ユベントスの攻撃を効果的に封じていた。キエーボはユベントス攻略法のお手本を示した。ゴール前で裏をとられるリスクを犯しても、ユベントスの中盤の動きを止めた方が、失点は少ない。ワンチャンスを生かしての攻撃も、ラインがあがっていれば、短時間でゴール前に人数をかけられる。

 キエーボの先制点は前半21分。ユベントスのDFBalzarettiが、サイドをかけあがるキエーボの攻撃陣に完全に抜かれてしまう。これで勝負あり。完全にフリーになったキエーボ選手から、絶妙なセンタリング。ゴール前に飛び出してきていたキエーボのMFがこれを、ボレーで決める。Buffonの位置をよく見て、取れない角度に、早いボールが飛んでいった。

 キエーボはワンチャンスを生かしただけで、ボールそのものは、ユベントスが支配する時間が長く、この得点の前の時間帯も、この後の時間もユベントス支配に変わりはなかった。

 ユベントスは、失点後、攻撃を加速する。それが前半31分に実を結ぶ。CamoranesiのFKに、Vieiraが頭で合わせ、これが同点ゴールになる。

 問題はこれから、この後、キエーボの選手は、蓄積した疲労で足がとまり、チャンスらしいチャンスがつくれなくなっていった。中盤のプレスも弱まり、ワンチャンスを生かす、攻撃の切れも無くしていった。だのに得点できなかったこと。

 後半、ユベントスがいつもの試合をやれば勝てていた試合だった。

 ところが、Capelloはここで、選手交代。穴になっていたBalzarettiを替えるならまだしも、キエーボの選手を翻弄できていたCamoranesiを引っ込めて、Del Pieroを投入する。

 MutuIbrahimovicと同じく、Del Pieroも、キエーボのDFにうまく蓋をされてしまい、結局最後までゴールを割ることができなかった。前半キエーボの守備を切り裂いていたのはCamoranesiだけだったのに、その唯一の選手をベンチに下げたのでは、勝負にならない。

 前回、Balzarettiについて「今後に期待させる」と書いたが、不明を恥じ、撤回する。あんなにDF力がないとは、見抜けなかった。修正できるまでは、DFは無理。Chielliniがどんなに良い選手だったか、Balzarettiとの対比で、よくわかった。

Capello5.5Buffon6.5Thuram6.5Balzaretti5.5Cannavaro6.5Zambrotta6.5Emerson6.5VieiraMutu6.5CamoranesiTrezeguet6.5Ibrahimovic6.5

ユベントスVSレッジーナ

セリエA第十九週

勝利10

歯がゆい時間が長く続いた。

チャンスは作っている。守備も悪くない。だのに点が入らない。まるで二シーズン前の悪いときのユベントスのようだった。Del Pieroが入り、Ibrahimovicが抜けると、とたんに攻め方が単調になる。素人の筆者にさえパターンが把握できる攻撃、さぞかしレッジーナのDFは楽だったに違いない。GKに何度もチャンスを封じられた、もちろん良いプレーだったが、GKの予想範囲内の攻撃しかできなかったことも原因だ。

得点は前半44分、Nedvedが長いパスを出す。これをTrezeguetが足で落とす。落ちたボールを詰めてきていたDel Pieroがおしこんでゴール。Trezeguetの落としたボールが、コース、スピードともに絶妙だった。

Chielliniがお休み、左サイドのDFとしてBalzarettiがフル出場。突破を図る積極プレーが随所に見られ、今後に期待させる。

Buffonが復帰。おろしたてのシャツみたいな表情が印象的だった。技の切れ具合は、レッジーナのシュートが枠に飛ばず、不明。早く彼ならではのプレーがみたい。

驚きあるスーパープレーを、一試合に何度もできるIbrahimovicと、得意なプレーが限られる(それがすでに知れ渡っている)Del Piero。どちらが相手にとって脅威かは言うまでもない。Del Pieroは試合の半ばを決めるは一点目が入ってから投入する選手だと思う。

週の中日にある次の試合で、コンディションよくIbrahimovicが活躍できれば、Capelloは上手にIbrahimovicを休ませたということになり、見事な采配ということに評価は代わるのだが。次の試合に注目したい。

Capello6.5Buffon6.5Thuram6.5Balzaretti7、Cannavaro6.5Zambrotta6.5EmersonVieira6.5Nedved6.5Camoranesi6.5Trezeguet7、Del Piero6.5

パレルモVSユベント

セリエA第十八週

勝利2-1

 執着。スマートではない。しかし確かにそれがあった。

 パレルモの速攻は素晴らしかった。Cannavaroがドリブルで置いていかれる場面さえあった。しかし、ユベントスにはそれを上回るゴールへの執着があった。

先攻したのは、パレルモ。前半12分に、後ろから供給された、山なりのボールに、ゴール前、ピンポイントで合わせてのボレーシュートを決める。

ユベントスは攻勢に転じようとするが、パレルモは冷静に対処する。Mutuのパスが通らずカットされる場面が続く。

 ユベントスの一点目は、15分。この試合、パレルモの穴になっていた右サイドから。フリーだったCamoranesiが、センタリング。逆サイドにポジションをとっていたIbrahimovicがこれに足を出す。ボールの落下点にいたのは、MutuMutuは迷わずシュート。しかし、この足を振り抜いたスピードのあるボールは、クロスバーに跳ね返される。ゴール前にはパレルモのDFが集まっていて、スペースはない。この難しい状態のなか、Mutuは戻ってきたバールを再びコントロールし、相手DFもGKも手のだせない、ゴールをえぐるようなコースに、再度シュートを放ち、得点をもぎとった。まるでボールが跳ね返ってくるのを予想していたような冷静なプレーだった。最初のシュートで油断していたら、このゴールはなかった。

 同点にされても、パレルモは最初と同じリズムでユベントスを苦しめる。クレバーなインターセプト。奪取したボールを、正確極まりないクロスにして、ゴール前に供給する。CamoranesiTrezeguetに送ったボールも奪われた。VieiraからEmersonへの横パスも奪われた。

 ユベントスの二点目は、やっと若干のスペースを得たIbrahimovicの、ラフなセンタリングが起点となった。これをゴール前、真ん中に走り込んできたVieiraが足を出して、コースを変え、Mutuへの絶妙なパスにした。Mutuがこれを沈め、ユベントス逆転。Mutuへのパスを出した直後に、Vieiraは相手DFと交錯して倒れている。まばたき一つ分の時間しかVieiraにはなかった。点をとりたいという執念がVieiraにみなぎっていたからこそ、可能になったプレーだ。

 後半は、パレルモは失速、ユベントスの敵ではなかった。

 難敵を相手に気持ちで勝つ、こういつチームの応援するのは気分が良い。

CapelloAbbiati7.5Thuram7Pessotto6、Cannavaro6.5Chiellini6.5EmersonVieiraMutu7.5Camoranesi7Trezeguet6.5Ibrahimovic6.5

ユベントスVSシエナ

セリエA第十七週

勝利2-0

 Emerson復帰。前節に比べて、Vieiraが自由に動ける時間が格段に増えた。Vieiraが動くとユベントスの攻撃は、止められない。

シエナはよく守ったが、IbrahimovicVieiraの、魔術的パフォーマンスを抑えられない。優等生の守備を、「個」の名人芸が、柔らかいチーズにフォークを刺すような感じで、突破していった。

前半の得点は、CamoranesiのCKから。これをゴール前に集まったシエナDFの背後から、走りこんできたCannavaroがヘディング。強いボールは、この試合好セーブを連続していたシエナのGKにも止められなかった。

一点ビハインドになったシエナは後半、守りから、攻撃に、少しすつ戦術を変更していった。前半に塞がれていたスペースが空く。Trezeguetがそのスペースに走り込み、そこに長いパスが通った。オフサイドでもなく、シエナのDFは完全に裏をつかれて、Trezeguetを止められる位置にいない。このただでさえ、Trezeguet有利な状況に、シエナのGKの、ゴール前に留まるべきところ、ボールを取りに前に出るという判断ミスが重なる。Trezeguetは無人のゴールにボールを送り出すだけでよかった。

シエナも、ユベントスの守りに隙ができると、そこを的確に破りシュートまでもっていっていた。ユベントスのワンサイドゲームにならず、両チームの良いところの見られる、気持ちのよい試合だった。

CapelloAbbiatiThuram6.5Zambrotta6.5CannavaroChiellini6.5Emerson6.5VieiraMutu6.5CamoranesiTrezeguet7、Ibrahimovic6.5

ラツィオVSユベントス

セリエA第十六週

引き分け1-1

 試合が進むにつれて、気持ちが沈んでいった。

 「勝たなくてもよい、怪我さえしなければ」ひたすらこう願いつつ画面を見つめていた。こんな気持ちでサッカーを見たくない。ユベントスを応援したくない。こんな試合を作ったラツィオのやり方を憎む。

 ユベントスの攻撃を封じるために、中盤、ゴール前のプレスを強くする。この試合ちょっと見にはそう見えた。でもピッチ上で起こっていたことはそれとは異なる。ゲームに必要なタックルより、強いタックル。必要なスライディングより、激しいスライディング。必要なプッシュより、危ないプッシュ。どんな手を使っても相手をねじふせたい。だったらケンカをすればいい。サッカーはやめてくれラツィオ。

 これを止められない審判も最低。

 Thuramの、ゴールライン近くの危険ゾーンでの不用意なパスをインターセプトしたラツィオが、前半15分に先制のゴールをあげる。

 ユベントスの得点はTrezeguetCamoranesiから出た、ふわっとしたボールを、ゴールマウスの左サイドにポジションをとっていたNedvedが、ヘッドで中に落とす。上半身のバネを使った強いボールは、DFの意表をつくワンバウンドのパスになった。Trezeguetが走り込んでこれをシュート。前半の26分の出来事だ。

そもそもサッカーが成り立たってない試合で勝ち負けを言うのは空しい。

Capello6.5AbbiatiThuramZambrotta6.5CannavaroChiellini6.5Blasi6.5Vieira6.5NedvedCamoranesi6.5Trezeguet7、Ibrahimovic6.5

ユベントスVSカリアリ

セリエA第十五週

勝利4-0

 美しい閃光が、繰り返しゴールに突き刺さっていった。

 見事な攻撃。

 VieiraNedvedIbrahimovicTrezeguetMutuユベントスの攻撃陣全員が、得点にからんだ。ゴール奪取のルートの多彩さには目を見張った。

 一点目は、NedvedVieiraの相手DFの予想を見事に裏切る速い動きからのセンタリング。Trezeguetがこのパスをダイレクトで蹴る。GKがこれを止める。クリアされたと思った。DFの足がとまる。たった一人の選手を除いて。Nedvedだけは、GKがクリアする万に一つの可能性を予想し、それに備えてDFの間のスペースに走りこんでいた。GKが弾いたボールを、Nedvedが蹴り返した。

 二点目はIbrahimovic。離れた位置から、ふわりと浮いたボールをMutuに送る。Mutuがこれを頭で落とす。Trezeguetは転がってきたボールを蹴るだけでよかった。

 三点目は、理想的な守備崩しが、現実の試合の中で実現した。NedvedIbrahimovicにパスこれがワン。これをIbrahimovicNedvedに戻してツー。DFは二人の動きに翻弄されて、Trezeguetを自由にしてしまう。NedvedからのパスをTrezeguetが押し込む。

 四点目。攻勢に出ていたカリアリの裏のスペースにTrezeguetが楽々と侵入。ポストに弾かれたボールを、遅れて戻ってきたあわてもののDFがオウンゴールしてしまう。

 得点すべてが異なる「型」から生まれた。こんなチーム、こんな試合を僕は見たことがない。

CapelloAbbiatiThuramZambrottaCannavaroChielliniGiannichedda6.5VieiraNedved7.5MutuTrezeguet7.5Ibrahimovic7.5

ラピドウィーンVSユベントス

チャンピオンズリーグ グループステージ 第六戦

勝利1-3

 ラピドウィーンは攻撃と守備のバランスが悪すぎた。攻撃力は高い。後半七分のBlasiのクリアミスしたボールを奪取し、後ろから走り込んできたMFが高い位置で力強いヘディングを決めた得点シーンは特に見事だった。反対にお粗末なのが守備力。危険ゾーン、危険選手に自由にプレーをさせてしまう。DFはまるで案山子だった。

当然のごとくユベントスは得点を重ねる。

一点目は前半35分、Del Pieroがフリーキックを、ゴール右隅に決める。ほとんど無回転なボールが山なりの軌跡を描いてマウスに収まった。

二点目は41分。Ibrahimovicが力の籠もったシュートを決める。蹴り足を後ろに曲げる準備動作なし。通常のキックの半分の軌跡で弾丸と言っていいようなシュートが飛んだ。Ibrahimovicの脚力は凄まじい。ラピドウィーンのDFは二人いたが案山子だったのでいないのと同じだった。

三点目は45分。二点目から何も学ばなかったDFがまたしてもIbrahimovicを自由にする。Ibrahimovicから絶妙なコース、申し分のないスピードのパスが出る。Del Pieroが足をだし、コースを変えこれでゴール。

 Cannavaro、休み。おかげでThuramの姿が画面に頻出した。KovacCannavaroの差を、Thuramがカバーしていたためだ。

 右サイドのZambrottaも休みで、Balzarettiが代役。前線に素早く何度も駆け上がりチャンスを作ろうとする姿勢があった。しかし、これは相手がノーマークだったからできたことでもある。

 ベストメンバーとサブとの間の力の差は大きい。IbrahimovicVieiraNedvedTrezeguetが支障無く試合に出続けることを切に希望する。

Capello7.5Abbiati6.5Thuram7Balzaretti6.5Kovac6、Chiellini6.5Blasi6、Vieira6.5Mutu6.5Camoranesi7、Ibrahimovic7.5Del Piero

フィオレンティーナVSユベントス

セリエA第十四週

勝利1-2

 強敵。後半29分には、Cannavaroが外され、Abbiatiが連れ出され、フィオレンティーナのFWが無人のゴールにシュートを送るシーンがあった。これがバーに弾かれなかったら同点は免れない試合だった。

 フィオレンティーナは前半後半とも人数を割いてゴール前を堅くしていた。中盤が自由に振る舞えた前半は、ユベントスは楽にチャンスを作れていたが、後半フィオレンティーナがここを修正してからは決定機を組み立てられない。こういう場合、NedvedEmersonVieiraがミドルシュートで攻めるのがユベントスの定石。この試合が苦しくなったのは、ミドルシュートが枠内に収まらなかったことにある。特にNedvedは二回も大きく外した。彼らしくないプレーだった。

 降着状態を打破してくれたのは、Ibrahimovic。左サイドでボールを奪取したあと、ハイボールでセンタリング。高く高くあがったボールがTrezeguetが走り込む時間を稼いでくれた。落下点でのフィオレンティーナのDFとの競り合いに勝ち、頭でTrezeguetがこのボールを落とす。右サイドを併走していたCamoranesiがシュート。これが二点目。後半43分。

 ユベントスの一点目は前半7分、フィオレンティーナのDFがぎくしゃくしている間に、IbrahimovicからのグラインダーのパスをTrezeguetが押し込んだもの。

 フィオレンティーナは何度もユベントスのDFを破った。Cannavaroがこんなに裏をとられたのは今期初めて。得点もユベントスのDFをきれいに破ってからのシュートで、前半38分。

 Ibrahimovicのチャンスメークの力がずば抜けていること、VieiraNedvedと比べてもすぐれていることが、明瞭になった。

CapelloAbbiati6.5Thuram6.5Zambrotta6.5Cannavaro6Chiellini6.5Emerson6.5Vieira6.5Nedved6.5CamoranesiTrezeguet7、Ibrahimovic7.5