ユベントスVSローマ
セリエA第三十一週
引き分け1-1。
前半7分の攻撃が、ここ数試合のユベントスの得点パターンだった。CamoranesiがNedvedにパスをだす。NedvedはDel Pieroに渡す。ペナルティエリアに切り込んだCamoranesiにDel Pieroがラストパス。この時はローマのDFに当たって、得点にはならなかった。よく守る相手でも、Nedved、Camoranesiの中盤の両翼は止められない。対照的に元気がないのが、真ん中。IbrahimovicとTrezeguetのラインだ。二十節ぐらいまでは、おもしろいように決まっていた、ロングパス、Ibrahimovic、Trezeguetというパターンがここ数試合まるで見られない。起点となるIbrahimovicへのマークが、シーズン前半より、正確で効果的なものになったからだろう。Ibrahimovicのフィジカルをもってしても、同じパターンでは無理。相手も進化する。Ibrahimovicが「待つ」のではなく「動いて」パスをもらいにいけばいいだけのことだ。
しかしすぐにパターンの変更ができる筈もない。頼みの綱はNedved、Camoranesiラインだったが、そのNedvedが前半8分に厳しいチャージを受け負傷、45分でピッチをあとにすることになってしまった。こうなるとユベントスは攻め手がない。
この苦境を救ったのがEmerson。CamoranesiのCKのボールを、ヘディングで沈める。前半35分、これがこの試合初の得点になった。
一点を得てユベントスは、CLに備え、Trezeguetをベンチに戻す。ピッチにはBalzaretti。
ユベントスはラインをあげて攻撃的な陣形をとる。したがってDFの背後にスペースがある。ローマは終始一貫このスペースを狙っていた。ローマ側のエリアで、MF同士がぶつかりあう。ローマはボール奪取に成功すると、グランダーではなく山なりのボールでパスを出す。2Dから3Dへの変化。ユベントスはこの頭上を越えるパスへの対処が遅い。後半40分のローマMFによるヘディングでのゴールは、このバックラインの背後のスペースを使われたことが原因になっていた。
相手MFのDF裏のスペースへの飛び出しに弱いユベントス。点を取られることは止むを得ない。ただ、それ以上に得点できなくては。1-0が続けられる時代は終わった。FWがもっとMF的に動くようになることを望む。