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ローマVSユベントス

セリエA第十二週

勝利1-4

 最初の二点でローマの闘う心は粉砕された。その過酷さに、皮膚が薄く剥がされていくような感触を味わった。

 ユベントスのメンバーは最初からコンディションがよく、ボールは良く動いていた。ローマは中盤のプレスを強くしてそれに対抗する。一進一退の攻防が続く。48分までユベントスは何度もチャンスを作りながらゴールを決められなかった。入れるべきときに点が入らないと、そのチームには目に見えない粘着質のベールが降りてきて、やがて足が止まり、反撃を受けることになる。前半修了間際、ユベントスには「イヤな雰囲気」が立ちこめつつあった。逆にローマの方は、勝利の匂いを嗅ぎ始める。「イヤな雰囲気」を一瞬にして、きれいさっぱりと拭いさったのがNedvedのヘディングシュートだった。Camoranesiがサイドからあげたボールを、ローマのディフェンスが無警戒だった背後のポジションから、瞬時に走り込みジャンプし、頭でヒット。ユベントスの攻撃に長時間耐えていたローマの希望が、この得点で死んでしまった。

 後半、ローマは勝負にでる。最初の十分間、ローマは総力をあげてユベントスを攻め立てた。クリアしてもクリアしても、ローマの攻撃の手は緩まない。ローマの選手に得点の予感が生まれ、予感が彼らのプレーを加速する。同点は時間の問題に思われた。Nedvedに叩き壊されたものが、甦りはじめていた。始点はVieiraのロングパスだった。このパスを受けたIbrahimovicが信じられないプレーを見せ、ローマの希望は二回目の決定的な死を迎える。Ibrahimovicはファーストタッチで、パスを山なりの弾道に変化させた。ボールの落下点へと殺到するスピードでローマのDFは置き去りにする。あとは突進してくるキーパーとの一対一の勝負。Ibrahimovicはキーパーの手がボールに届くタイミングを読んで、それよりほんの少し早いタイミングで、ボールを強く蹴る。無人のゴールマウスにボールが吸いこまれていった。

 Trezeguetによる三点目と四点目はもうどうでもいい。すでに死体となっているチームへのだめ押しは、正視できない残酷さを孕んでいることだけ、確認すればそれでよい。

 この日のユベントスは敵をメンタルの奥深くまで破壊する術を知っている残忍で強力なチームだった。

CapelloAbbiati6.5ThuramZambrotta6.5CannavaroChiellini6.5Emerson6.5VieiraNedved7.5Camoranesi7TrezeguetIbrahimovic