Juventus Zone / jp   ユベントス ゾーン  
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レッジーナVSユベントス

セリエA第三十八週

勝利02

 Nedvedは縦横無尽に相手DFを切り裂いた。Zambrottaはフィジカルの強さを見せつけた。Balzarettiは攻撃のリズムをリードした。Cannavaroは相手FWにまったく仕事をさせなかった。Ibrahimovicは予測不可能なひらめきを取り戻した。Trezeguetは今日も絶対のポジションを確保していた。CamoranesiはDFを翻弄し続けた。Emersonはチエックと攻撃両面で大忙しだった。Buffonは高い厳しい壁になり相手FWを徹頭徹尾はね返した。KovacGiannicheddaも精一杯のプレーだった。


 喜びと、誇りの中で終わってよいはずが、そうならなかった。

 良い試合だった(レッジーナもひたむきにプレーしてくれた)。そして結果は勝利。ミランとの勝負にも勝ちスクデッド獲得。ファンとしてこんなうれしいことはない。こう書いて終われるはずだった。

 来年の楽しみはCLの雪辱。チェルシー、バルセロナ相手にユベントスが、Capelloがどんな試合をするか、それを思い描いて、秋の再会を待てばよいはずだった。

 「盗聴」「審判買収」「賭博」「辞任」。そんなものが、カリアリ戦でみせたロスタイム残り五秒のCannavaroのヘディングに較べられてたまるか。くだらない、くだらないことで、何物にも代え難い輝きが汚される。

 筆者のまるで想像できない、出来事が、このシーズンの記録の意味を変質させてしまった。

 もう自信のある言葉など書けない。

 ただ自分を支えるために、小さな声でこうつぶやかせてもらおうと思う。

「俺は2005/2006シーズンのユベントスを見た。セリエAで一回しか負けなかった素晴らしい男達のプレーを見た。こんなものを見たのは初めてだった」と。


ユベントスVSパレルモ

セリエA第三十七週

勝利21

 今日のユベントスは冷静で、パレルモを寄せつけなかった。

 前半1分にはEmersonが相手MFにボールを取られるし、18分にはIbrahimovicがボールキープに失敗する。パレルモは厳しいディフェンスでユベントスに挑んできた。

 しかし、ユベントスにはNedvedがいる。縦横無尽にパスをだし、ドリブルの勢いを生かした強烈なミドルシュートを放つNedvedにパレルモのMF、DFはまったくおいつけなかった。二列目の選手をこれだけ自由にしては勝負にならない。

 前半のユベントスの得点は、つないでつないで取った、粘り勝ちの点だった。Emersonの山なりのパスをだす。Ibrahimovicがダイレクトで触る。Trezeguetが落とす。Camoranesiが取り、DFをかわすためサイドにもちだしてから、センタリング。パレルモの選手が触って落とす。こぼれたボールをNedvedが左足でたたきこんだ。

ユベントスの二点目は、後半6分。Camoranesiが後方から、リズムを変える早いタイミングのカウンターのパスに、Ibrahimovicが反応。GKと一対一の状況になる。ここで、Ibrahimovicはキーパーの股間を抜けるコースにシュートを蹴る。狙い通りのコースをボールが走り、ネットが揺れた。Ibrahimovicファンとしては、うれしいというより安心したという思いが強い。

パレルモは後半17分に一点を返すが、勝負をひっくり返すような気配はまるでなかった。

CapelloBuffon6.5ZambrottaBalzaretti6、Cannavaro6.5Kovac6.5Emerson6.5Vieira6Camoranesi6.5Nedved7.5Ibrahimovic7Trezeguet6.5


シエナVSユベントス

セリエA第三十六週

勝利30

雨で湿ったピッチが、ユベントスの速攻を後押ししてくれた。ユベントスが帰ってきた。

攻撃あるのみ、ユベントスに迷いはなかった。前半3分、左サイドのCKを、VieiraがシエナのDFの前に飛び出し、ヘディング。前のラツィオ戦と同じ絶妙なタイミングだった。そして今回はこれが決まる。待ちに待った早い時間帯での先取点。

6分にはNedvedがドリブルで持ち込んでから、Del Pieroにパス。彼がくさびになり、Trezeguetの前にボールが転がる。これを振り抜き二点目。さらに8分にはDel Pieroが、ゴール正面にいたVieiraにパス。シュートを打てるタイミングだったがVieiraは、無理をせず右サイドにパスを出す。シエナのDFはVieiraに二人付いていた。右サイドのMutuはノーマーク、これを危なげなく決める。

残りの82分間、ユベントスは常に、シエナの攻撃の起点をつぶし続けることに徹する。相手陣営のペナルティエリア付近でも、容赦のないタックルをお見舞いする。無失点で追われたこともよかった。

Capello6.5Buffon7ZambrottaBalzaretti6、CannavaroKovac6.5Emerson6.5Vieira7,Mutu6.5Nedved6.5Del Piero6.5Trezeguet6.5

カリアリVSユベントス

セリエA第三十五週

引き分け11

「危機は脱しましたが、元通りになるにはまだしばらく時間がかかります」。大病した病人への医師の決まり文句が今のユベントスにはピッタリだ。

FWTrezeguetTrezeguetらしいスタイルで(高くあげた足のアウトサイドでボールをチョンとつつく)得点できた。これが何よりうれしい。何試合ぶりかに、安堵することができた。これでよい。これが見たかった。

ユベントスは前半から飛ばしていた。チャンスもたくさん作ることに成功していた。特に、前半11分のEmersonからのパスをTrezeguetがシュートしたボール、19分のNedvedからのパスをIbrahimovicがシュートしたボール、どちらも素晴らしかった。Vieiraのタイミングの合ったヘディングもあった。Nedvedの絶妙なクロスもあった。アーセナル戦以降、チャンスらしいチャンスを作ることができず、苦しんでいたユベントスは、ようやくその状態から抜け出すことができた。

ラツィオの一点は、前半25分。今シーズンはじめてといってよい、CannavaroThuramのエラーが失点の原因だった。まずCannavaroが右サイドをえぐられてからのクロスを止められなかった。そしてThuramがクロスボールめざして飛び出してきたラツィオの選手を止められなかった。二人とも寄せが甘い。他の時間帯がいつも同様、隙のない見事なプレーだっただけに、惜しまれる。

ユベントスが勝てなかったのは、本当に不運としか言いようがない。しかし珍しい不運なんてものが、長続きするはずはない。次戦はすっきり勝ってくれることを、筆者は確信している。

CapelloAbbiatiZambrottaZebina6、CannavaroThuramEmersonVieira6,MutuNedved6.5Ibrahimovic6.5Trezeguet6.5

カリアリVSユベントス

セリエA第三十四週

引き分け11

前半34分はDel Pieroに、前半35分にはNedvedに。

IbrahimovicがDFポジション間にあった、彼にだけ見えたコースを走るパスを出した。二回。復調の確かなきざしだ。待っていた。これを待っていた。このプレーが続くことを祈るのみ。

前半ユベントスは目を見張るようなスーパープレーを繰り広げた。33分の俊足のMF(スワソ)のスピードに乗った突破に対してKovacが見せたディフェンス。並の速さではなかったこの突進を、交錯する一瞬の時間に、そこしかないピッチ上の一点で断ち切る。Kovacは今シーズンのベストプレーを見せてくれた。38分にはVieiraが魅せる。中盤からフィードされたボールを、体を一回転させてキープしチャンスに繋げる。直線的な動きが得意なVieiraのこの動きは、相手DFの意表をつき、密集していたにもかかわらずカリアリのDFも何もできなかった。

 ユベントスは持てる力を発揮していた。その意味ですばらしい前半だった。

 カリアリの一点は、43分、PKから生まれる。Zambrottaの超美技といってよいディフェンスを、体にいくタックルと誤審されたことが、このPKの原因だった。ユベントスに落ち度はない。

 後半、カリアリは守りに徹する。ユベントスは前半同様に攻め続けたが最後の詰めがうまくいかない。PKも、ミドルシュートも、ヘディングもすべて外れた。

 ユベントスは勝利に値するプレーを連続していた。負けるわけにはいかない、負けるべきでない試合だった。

 結果をだしたのは、ロスタイム残り五秒のラストプレー。Cannavaroが見事なヘディングを決めてくれた。キッカーはCamoranesi。それまで見事なセーブを繰り返しユベントスの巨大な壁になっていたGK(キメンティ)も一歩も動けなかった。

 これだけ運に見放されたゲームも類がない。そのゲームを、投げ出さず、あきらめなかったユベントスにとって何よりの贈り物だった。

Capello6.5Buffon6.5Zambrotta6.5Kovac7、Cannavaro7.5ChielliniVieira6.5Blasi6,Mutu5.5Nedved6.5IbrahimovicDel Piero

ユベントスVSフィオレンティーナ

セリエA第三十三週

引き分け11

気持ちの整理がつかない。

NedvedVieiraは今年はチャンピオンズリーグで優勝を目指すと、シーズン開始直後のインタビューで熱く語っていた。道が絶たれたときの失望の深さは、容易に想像がつく。この試合は「失望」のベールに覆い尽くされたピッチの上で行われていた。

 「サッカーやろうぜ!」。自分のプレーでこう叫んだ男がいた。Abbiati。彼はきっぱりと、失望の中に沈みこむことを拒絶した。前半15分のPK。強いボールだった。それを、左に跳び、自分の下腹を使って止める。かけひきもやった。相手キッカーが蹴る前、Abbiatiは前後に体を動かすことで、キッカーの集中を妨害し、自分のリズムでキックできないよう仕向けていた。GKとして持てる技術をすべて出したにちがいない、会心のセーブだった。どんな言葉よりも、雄弁なメッセージを彼はユベントスのチームメートに発した。「やろう!」と。

 Abbiatiはその後も、前半32分、相手MFのシュートを止める。Abbiatiの好セーブがなかったら、ユベントスは前半でこの試合を諦めることになったに違いない。

 そのAbbiatiをしても、どうにもならない形を作られ、後半2分フィオレンティーナに先取点を奪われる。ワントップのFW(トーニ)にボールを集める、フィオレンティーナの攻撃パターンは一つしかない。それがわかっていてユベントスのDFは止められなかった。Thuramの動きが鈍い。これは本来のものではなかった。

 Abbiatiに応えてくれたのは、Del Pieroだった。後半17分Vieiraが送ったボールを、ゴールに背を向けた体勢でうけ、体を半回転してシュート。ペナルティエリアの左隅からのシュートで、距離はあったが、これがゴールに突き刺さる。同点。

 安堵すると同時に、Del Pieroがアーセナル戦にいたらという悔しさが込み上げてくる。

 残り数試合。Ibrahimovicの復活と、スクデッドの獲得を願う。

CapelloAbbiati7.5Zambrotta6.5Thuram6、KovacZebinaVieira6.5GiannicheddaCamoranesi5.5Nedved6,Ibrahimovic5.5Del Piero6.5

ユベントスVSアーセナル

チャンピオンズリーグ 決勝トーナメント 第四戦

引き分け00

始まる前に勝負はついていた。

それを象徴するシーンがある。終盤、左サイドにこぼれたボールを、走ればマイボールにできたシーンで、一番近くにいたIbrahimovicが棒立ちになっていた。ユベンティーノはブーイングを浴びせた。

Ibrahimovicは走らなかったのか?

走れなかったのだと思う。Ibrahimovicの炎の塊のような精神力でも、越えられない疲労がある、何とも悔しいが、それが起こってしまったことだ。走れなくなるほどの疲労を選手が蓄積してしまっていたこと、これがユベントスの敗因だ。

 筆者はIbrahimovicを責めない。むしろこの試合で愛しさが増した。感傷からではない。彼がこの試合を糧に、より偉大なサッカー選手になってくれると確信しているからだ。リバプールのジェラードをもちだして気楽にIbrahimovicを責めないでほしい。彼は彼、IbrahimovicIbrahimovicだ。何人のDFに囲まれようとも、唖然とする斬新なアイディアで、Trezeguetに絶妙なパスを送る、あのIbrahimovicを他の誰かととりかえようなどとは僕は思わない。

 Nedvedのイエロー、1stレグのCamoranesiZebinaのイエローを「不必要なファール」といって眉をしかめる人にも一言いいたい。他の人は知らない、でも筆者は、あそこで強すぎるチャージをする人間だから、NedvedCamoranesiZebinaが好きなのだ。どんなときにも挫けない精神と、危険温度まで熱くなる心、これは表裏一体の関係だ。冷静な心と見事なプレーを両立するのを、唯一絶対の理想だというのは、一つの思いこみにすぎない。そういう人はフィジカルコンタクトの少ない野球か、バレーでも見てればいい。筆者は現実(スポーツの外の世界)とつながったスポーツを愛する。現実世界を動かすエネルギーの根幹は、危険温度まで熱くなる心だ。ないものねだりの理想とやらで、温度を冷やすのは止めてもらいたい。

Capelloには文句と賞賛がある。文句はIbrahimovicを十分に休ませなかったこと。賞賛は最後までIbrahimovicをピッチに立たせたこと。自分のミスをIbrahimovicと供にピッチの上で逃げずに受け止めているような風情があった。

CapelloBuffonZambrottaChiellini6、Cannavaro6.5Kovac6.5EmersonGiannicheddaMutu5.5Nedved6.5Ibrahimovic5.5Trezeguet5.5

トレビーゾVSユベントス

セリエA第三十二週

引き分け00

後半のユベントスの単調な攻めには目を背けたくなった。

人数をかけてゴールを守るトレビーゾには、守備側を一枚一枚減らしてからでないと得点は難しい。MutuCamoranesiのドリブルや、EmersonVieiraのミドルシュートが有効な状況だった。だのにそれができない。焦りがユベントスのプレーヤーの判断力を鈍らせている。

 前の試合で機能しなかったIbrahimovicTrezeguetのラインは、この試合でもはかばかしくなかった。Ibrahimovicが正確なパスを出すために必要なスペースと時間を、もぎとることができない。トレビーゾのDFさえ振り切れないIbrahimovic。本調子ならありえないことだ。

IbrahimovicIbrahimovic、君が2ndレグまでに少しでも恢復することを心から祈る。

Capello5.5BuffonZambrotta6.5Chiellini6、CannavaroKovacEmersonVieiraMutuCamoranesi6.5Ibrahimovic5.5Trezeguet6.5

アーセナルVSユベントス

チャンピオンズリーグ 決勝トーナメント 第三戦

敗北20

悔しい。ひたすら悔しい。

何とか2ndレグでは一矢むくいて欲しい。

ファンとしてそれだけを願う。

 アーセナルはMFとFWの区別を無くした。チャンスには両者が一体となってゴールに殺到する。

殺到する人数に対処する陣形も、殺到するスピードに対処する技術もユベントスには欠けていた。

TrezeguetIbrahimovicも、試合の流れのなかでアンリのような決定的役割をまるで果たせない。開幕当初のアーセナルは、パスがつながらず、守っても攻めても、プレーヤー相互の連携がまるで形になっていなかった。ここにきてその欠点は見事に修正された。

前のローマとの試合にも感じたことだが、待ちだけのFWがいるチームは、これからは厳しい。アーセナルは新しい時代のサッカーを体現しているチームのように見えた。

Capello5.5BuffonZambrotta6.5Zebina6、Cannavaro6.5Thuram6.5Emerson6.5Vieira6.5Mutu5.5Camoranesi6.5IbrahimovicTrezeguet

ユベントスVSローマ

セリエA第三十一週

引き分け11

前半7分の攻撃が、ここ数試合のユベントスの得点パターンだった。CamoranesiNedvedにパスをだす。NedvedDel Pieroに渡す。ペナルティエリアに切り込んだCamoranesiDel Pieroがラストパス。この時はローマのDFに当たって、得点にはならなかった。よく守る相手でも、NedvedCamoranesiの中盤の両翼は止められない。対照的に元気がないのが、真ん中。IbrahimovicTrezeguetのラインだ。二十節ぐらいまでは、おもしろいように決まっていた、ロングパス、IbrahimovicTrezeguetというパターンがここ数試合まるで見られない。起点となるIbrahimovicへのマークが、シーズン前半より、正確で効果的なものになったからだろう。Ibrahimovicのフィジカルをもってしても、同じパターンでは無理。相手も進化する。Ibrahimovicが「待つ」のではなく「動いて」パスをもらいにいけばいいだけのことだ。

 しかしすぐにパターンの変更ができる筈もない。頼みの綱はNedvedCamoranesiラインだったが、そのNedvedが前半8分に厳しいチャージを受け負傷、45分でピッチをあとにすることになってしまった。こうなるとユベントスは攻め手がない。

 この苦境を救ったのがEmersonCamoranesiのCKのボールを、ヘディングで沈める。前半35分、これがこの試合初の得点になった。

 一点を得てユベントスは、CLに備え、Trezeguetをベンチに戻す。ピッチにはBalzaretti

 ユベントスはラインをあげて攻撃的な陣形をとる。したがってDFの背後にスペースがある。ローマは終始一貫このスペースを狙っていた。ローマ側のエリアで、MF同士がぶつかりあう。ローマはボール奪取に成功すると、グランダーではなく山なりのボールでパスを出す。2Dから3Dへの変化。ユベントスはこの頭上を越えるパスへの対処が遅い。後半40分のローマMFによるヘディングでのゴールは、このバックラインの背後のスペースを使われたことが原因になっていた。

 相手MFのDF裏のスペースへの飛び出しに弱いユベントス。点を取られることは止むを得ない。ただ、それ以上に得点できなくては。1-0が続けられる時代は終わった。FWがもっとMF的に動くようになることを望む。

Capello5.5BuffonZambrottaChiellini6、CannavaroThuramEmersonVieiraNedvedCamoranesi6、Del PieroTrezeguet5.5
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